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展示会出展用の企画書テンプレートと書き方解説

展示会出展用の企画書テンプレートと書き方解説

展示会への出展を成功に導くためには、企画書の作成が欠かせません。限られた期間や予算の中で最大の成果を得るには、目的を明確にし、戦略的に企画を立案する必要があります。本記事では、展示会出展を効率よく準備するために必要な企画書の基本構成や書き方、活用できるテンプレートについて解説します。初めて企画書を作成する方から、成果の上がるイベントを実現したい担当者まで、実践的なノウハウをご紹介します。

企画書作成の基本構成とその目的

展示会への出展にあたり、最初に必要となるのが企画書の作成です。企画書は社内や関係者に向けて、展示会出展の目的、内容、予算、期待される成果などをわかりやすく共有し、承認や意思決定を促す役割を担います。

企画書がしっかりと整備されていれば、担当者間での認識齟齬を防ぎ、スケジュールやリソースの調整もスムーズに行えます。また、成果測定の基準(KPI)や数値目標の設定も、企画書を通じて明確にすることが可能です。

さらに、展示会は単なる参加イベントではなく、自社の事業戦略に直結する重要なプロジェクトです。そのため、企画書は単なる資料ではなく、展示会全体の成功を左右する設計図と捉えるべきです。

展示会企画書の目的とは何か

展示会企画書の主な目的は、展示会出展の意図や価値を関係者に正しく伝えることです。特に以下の3つの観点から目的を捉えることが重要です。

1. 社内での理解と承認の獲得
 ・ 企画書は、社内の上長や決裁者から承認を得るための資料となります。
 ・ 明確な目標、費用対効果、期待成果が記載されていることで、投資の妥当性を訴求できます。

2. プロジェクトの方向性の共有
 ・ 複数の部署や外部関係者が関わるケースが多いため、企画書は全体方針の共有ツールとして活用されます。
 ・ コンセプト、ターゲット、ブースの設計方針などを一貫性ある形で示す必要があります。

3. 成果測定の基準を設定
 ・ 出展によってどのような成果を得るのか、KPIや数値目標の設定が重要です。
 ・ たとえば「名刺100枚の獲得」「受注案件数5件の創出」などの指標を明記します。

このように、企画書は単なる社内文書ではなく、展示会全体の成功を導く実行計画書として機能させる必要があります。

企画書に必要な要素と基本構成

展示会企画書を作成する際には、いくつかの基本的な要素を網羅的に記載することが求められます。以下に一般的な構成を紹介します。

項目 説明
開催概要 展示会名称/開催日/会場/主催者/規模/
ブース位置など
出展目的・背景 出展の狙い/市場動向・競合状況/
自社課題と展示会による解決方向
出展目標・KPI 名刺獲得数・商談件数など数値目標と達成基準
ターゲット・コンセプト ペルソナ設定/ブース訴求ポイント/体験要素
展示内容・ブース計画 展示物リスト/配置・動線設計/デザインイメージ
集客・
プロモーション施策
SNS/メール/DM/セミナーなどの施策とスケジュール
スケジュールと体制 準備〜当日〜事後フォローのタスクと担当者
予算計画・
費用対効果
費用内訳/ROI想定/予備費設定
リスク管理・対応策 想定トラブル/対応フロー
添付資料・参考データ 過去実績事例/競合比較/資料・写真

このような要素を網羅することで、抜け漏れのない、信頼性の高い企画書を作成することができます。特に、データや数値に基づいた記載を心がけることが説得力を高める鍵となります。

展示会企画書の書き方とテンプレート

展示会の成功を支える要素のひとつが、読みやすく、的確に情報が伝わる企画書の作成です。関係者の理解を促し、プロジェクトを円滑に進めるためには、伝えるべき情報を網羅しながらも、過不足なく整理された構成が求められます。

また、単なるフォーマットの埋め込み作業ではなく、目的やターゲット、ブース企画との一貫性を意識して作成することが重要です。本章では、すぐに使えるテンプレートと、実践的な作成の工夫をご紹介します。

実用的な企画書テンプレート紹介

以下は、展示会出展企画書の一般的かつ実用的な構成例です。必要に応じて自社用にカスタマイズし、関係者が短時間で全体像を把握できるような構成に仕上げることが大切です。

展示会企画書テンプレート

1. タイトルページ
 ・ イベント名:[ ○○展示会2025 ]
 ・ 企画タイトル:[ 新製品〇〇の市場投入企画 ]
 ・ 作成日:[ 2025年6月1日 ]
 ・ 作成者:[ 営業部 山田太郎 ]

2. 開催概要

項目 内容
開催名称 [ ○○国際展示会2025 ]
会期 [ 2025年9月10日(水)~12日(金)]
会場 [ 東京ビッグサイト 東ホール ]
主催者 [ ○○展示会実行委員会 ]
出展規模 小間数:[ 10小間 ]/来場予測:[ 30,000名 ]
ブース位置 [ 東ホール E-12 ]

3. 出展目的・背景
 ・ 背景・課題
  [ 競合A社が新機能を発表し、市場シェアを拡大中。 ]
  [ 既存製品の認知度が低いため、最新機能を強くアピールしたい。 ]
 ・ 目的
  1. 新製品〇〇の認知拡大(展示会後3ヶ月でWebサイト流入+20%)
  2. 名刺獲得200件、商談化率15%以上

4. ターゲット・コンセプト

ペルソナ 訪問動機 訴求ポイント
IT部門リーダー 業務効率化ツールを
探している
「自動化×リアルタイム分析で
工数50%削減」
営業部門担当者 顧客提案用の
新ネタを求めている
「プレゼン資料生成AI搭載で
提案力強化」


 ・ ブースコンセプト
  「“ブースでのライブデモ体験”でその場で納得」

5. 展示内容・ブース計画

展示物 仕様/数量 配置・動線
デモ端末(PC) 5台 入り口正面に並べ、
説明席へ誘導
プロモ動画
(モニター)
55インチ×2台 ブース左右両端に設置し、
常時ループ再生
ノベルティ パンフレット50部
ノベルティグッズ200個
来場者動線の要所で
スタッフから配布

6. 集客・プロモーション施策

施策 内容 担当 スケジュール
事前
メール
配信
既存顧客1,000件へ案内
開封率30%目標
営業
チーム
8/1
配信
SNS告知 Twitter/LinkedInで週2回投稿
ハッシュタグ#○○展2025
広報 7月下旬
~9月
招待状
DM
送付
決裁者20社へ招待状郵送 営業
部門
8/10
発送

7. スケジュールと体制

フェーズ 主なタスク 担当 期限
企画・承認 企画書作成/社内決裁申請 山田・田中 6/15
設計・制作 ブースデザイン
資料・ノベルティ発注
デザイン部 7/15
準備・手配 機材手配
スタッフシフト作成
総務 8/15
会期中運営 受付・説明・商談対応 全スタッフ 9/10
~12
事後フォロー 名刺集計/商談リスト共有
効果測定
営業部門 9/30

8. 予算計画・費用対効果

費用項目 金額(円) 備考
出展料・小間代 1,200,000 10小間/会期3日
ブース設計・施工費 800,000 デザイン+施工+レンタル備品
プロモーション費 300,000 メール配信/SNS運用費
ノベルティ・パンフ制作 150,000 パンフ50部/ノベルティ200個
物流・人件費 250,000 運搬費/スタッフ人件費
合計 2,700,000


 ・ 想定ROI
  名刺200件×商談化率15%×受注率15%×平均受注単価¥2,000,000
  =¥9,000,000

9. リスク管理・対応策

想定リスク 対応策
機材トラブル 予備機材(ノートPC/モニター)を1セット用意
予定来場者数の大幅減少 直前1週間でDM追加送付/SNS広告へ予算振替
スタッフ急病 予備スタッフリストを用意し、当日連絡体制を確保

10. 添付資料・参考データ
 ・ 過去出展実績一覧(別紙)
 ・ 競合ブース比較表(別紙)
 ・ ブースレイアウト図・写真(別紙)

このテンプレートを活用することで、関係者との情報共有をスムーズにし、社内承認や予算獲得のスピードも向上させることができます。

作成時のポイントと成果につながる工夫

展示会企画書は単なる形式的な書類ではなく、成果に直結する戦略的ツールとして活用すべきです。そのためには、以下のようなポイントを押さえた作成が求められます。

成果につながる企画書作成のコツ

・ 目的→手段→成果の流れが明確であること
 - 何のために出展するのか、どう実現するのか、期待する結果は何かを一貫して記述

・ 読み手に合わせた設計
 - 決裁者には要点を簡潔に、担当者には詳細な施策やKPIを提示
 - 視覚資料(図表、グラフ、写真)を適宜挿入し、直感的な理解を促進

・ 過去データや他社事例の活用
 - 信頼性のある根拠を示すことで、説得力のある企画書に仕上がる

・ 社内調整のしやすさを意識
 - 工程表や役割分担表を記載し、関係者が「自分のやるべきこと」を把握しやすくする

・ レビューと共有の工夫
 - ドキュメント共有ツールを使ってリアルタイムにコメントを受け取りながら修正
 - 上長への提示時は1ページ要約資料(エグゼクティブサマリー)を添付

このような工夫を重ねることで、単に「通すため」の企画書ではなく、実行力と成果につながる価値あるドキュメントとして機能します。

成功する展示会出展のための企画ステップ

展示会を成功に導くためには、場当たり的な対応ではなく、段階的なステップに沿った計画的な進行が不可欠です。出展の決定から当日の運営、そして事後のフォローアップに至るまで、それぞれの段階で明確な目標と具体的なタスクを設定する必要があります。

特に重要なのが、「誰に、何を、どう伝えるか」というターゲットの設定と訴求軸の明確化です。また、スケジュール管理、社内外の連携体制、予算の確保なども、初期段階で整理しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、成果につながる展示会運営が実現できます。

企画立案から実行までの全体ステップ

展示会出展は、単なる「準備→開催」ではなく、複数の段階を経て実現されるプロジェクトです。以下のようなステップに沿って進行すると、抜け漏れを防ぐことができます。

ステップ 主な内容
1.情報収集・出展検討 開催概要調査/業界動向/競合出展状況の把握
2.社内調整・承認 目的・KPI整理/エグゼクティブサマリー作成/上長承認
3.コンセプト設計・
企画立案
ブーステーマ決定/訴求ポイント策定/体験要素設計
4.体制構築・準備着手 担当者割り当て/マイルストーン設定/制作依頼
5.制作・手配 ブース設計・施工/資料・ノベルティ制作/機材手配
6.集客施策展開 事前告知(Web・SNS・DM)/
ターゲットリストへのアプローチ
7.当日運営・対応 スタッフ配置/デモ実演/リアルタイムフォロー
8.事後フォロー・
効果測定
名刺整理/商談フォロー/KPI振り返り/改善点抽出

このように各段階で明確なゴールとアクションを設定することが、成功に近づく最短ルートとなります。

コンセプト設定と目標の策定方法

出展企画の成否を大きく左右するのが、コンセプト設計と目標設定の精度です。曖昧なテーマでは集客や訴求力が弱まり、展示会全体の印象がぼやけてしまうことも少なくありません。

コンセプト設計のポイント
 ・ 自社の強みや独自性を明確に言語化する
 ・ 来場者が「何を得られるか」がすぐに伝わるようにする
 ・ 製品やサービスの特長を、体験やビジュアルで表現できる内容にする

目標の策定方法
 ・ 「名刺300枚獲得」「商談10件の創出」など、数値で明確に達成基準を設定
 ・ 社内営業部門と連携し、受注につながるKPIを共有
 ・ ブース訪問率や配布資料数など、複数の指標を組み合わせて設定

コンセプトと目標は、単独で考えるのではなく、全体方針とブース設計、集客施策との整合性を取ることが重要です。

展示会出展を成功に導くためのコンセプト設計について詳しく解説している記事もご紹介します。
展示会コンセプトの作り方|成功する出展のポイント
も是非ご一読ください。

ターゲットと数値目標の明確化

展示会の成功に直結するのが、正確なターゲット設定と適切な数値目標の策定です。誰に向けて何を伝えるのかを明確にしなければ、ブースに立ち寄ってもらえず、せっかくの出展が無駄になってしまうリスクがあります。

ターゲット設定の流れ
 ・ 製品・サービスの利用者層を定義(業種、職種、役職、課題など)
 ・ 展示会の来場者層とのマッチ度を検討
 ・ 過去の出展データや顧客情報をもとにペルソナを策定

数値目標の具体例
 ・ 名刺交換数(例:200件)
 ・ 商談化率(例:15%以上)
 ・ セミナー参加者数(例:50名)
 ・ SNSフォロー数(例:展示会期間中に100件増加)

数値目標は、ブース設計や集客施策と直結するため、早い段階での設定が不可欠です。また、社内関係者と共有し、目標に基づいた当日の行動指針として活用します。

効果的な展示会ブースの計画と準備

展示会出展において、ブースの設計と準備は来場者との接点を生み出す最前線であり、集客と成果に直結する極めて重要な工程です。ブースの見た目や動線、展示内容が来場者に与える印象は、展示会の成否を分ける決定的な要素になります。

そのため、単に装飾を施すのではなく、目的やターゲットに応じたブース設計が求められます。加えて、設計段階から集客施策やSNSとの連動、スタッフの配置までを含めた総合的なプランニングが不可欠です。

ブース設計の基本原則と注意点

ブース設計では「見やすさ」「分かりやすさ」「話しかけやすさ」の3点を原則としながら、コンセプトを具体的に表現する空間づくりを目指します。

基本原則
 ・ 視認性の高いタイトルやキャッチコピーを正面上部に配置
 ・ 自社製品やサービスの特徴を一目で伝えるデザインや展示物
 ・ 動線を確保し、来場者が自然と立ち寄れるレイアウト設計

注意点
 ・ 情報過多で何を伝えたいか不明瞭になるパターンが多いため、訴求ポイントは3つ程度に絞る
 ・ 照明や装飾が過剰になりすぎないようにバランスを意識
 ・ 商談スペースの設置位置やスタッフ動線も事前にシミュレーション

また、会場によっては天井高や電源配置、設営条件が異なるため、主催者からの施工ガイドラインは必ず確認しておくことが重要です。

効果的なブースのデザインや設計について詳しく解説している記事もご紹介します。
展示会ブースのデザイン完全ガイド|装飾・設営のポイントを解説
も是非ご一読ください。

マーケティングと集客の方法

効果的な展示会出展には、会期前からのマーケティング活動と来場促進施策の実施が欠かせません。事前告知の有無で、ブースへの来場者数や見込みリードの質に大きな差が生まれます。

主な集客方法
 ・ 案内状やメールによる既存顧客への案内
 ・ Webサイトや特設ページを通じた新規顧客への情報発信
 ・ 電話や営業訪問による個別アプローチ(決裁者向け)

展示会前に実施すべき施策
 ・ 過去の展示会参加者リストの活用
 ・ 自社営業部門との連携によるターゲット企業のリストアップ
 ・ 配布資料やノベルティの準備と活用計画の策定

当日の工夫
 ・ ブース前での声がけやデモ実演で興味を引く
 ・ 名刺交換後すぐに対応できるフォロースタッフの配置
 ・ ブース内セミナーやミニプレゼンの実施

マーケティングと集客は展示会の「準備」と「当日」をつなぐ架け橋的な役割を果たします。

SNSと連携したプロモーション戦略

SNSの活用は、展示会出展の価値を最大化するための強力なツールです。展示会前・当日・終了後の3段階に分けたSNS活用により、オンライン上でも認知度や来場促進を高めることが可能です。

展示会前のSNS活用
 ・ 出展情報、開催日時、ブース位置をTwitterやLinkedIn、Instagramで告知
 ・ ティザー動画やパネル写真を用いて期待感を醸成
 ・ キャンペーン連動(例:フォロー&リツイートでノベルティ贈呈)

当日の投稿内容
 ・ ブースの様子や来場者の声をリアルタイムで投稿
 ・ セミナー開催中の様子、展示物の紹介動画などを活用
 ・ ハッシュタグを活用し、検索や話題性を拡大

展示会後の活用
 ・ 来場御礼と今後の案内、セミナー資料の配布などの投稿
 ・ 名刺交換者への個別フォローメールとSNS連携の案内
 ・ フォローアップキャンペーンの実施

SNSはリアルな展示会とオンラインの接点を融合させ、中長期的な関係構築やリード育成にもつなげることが可能です。出展のたびに運用フローを改善し、自社に最適なSNS戦略を構築することが求められます。

展示会集客が気になられる方は集客方法についてまとめている記事もご紹介します。
展示会集客を成功させる7つのポイント|集客効果の最大化
も是非ご一読ください。

予算と費用対効果の算出方法

展示会出展において、予算管理は全体の計画精度と成果を大きく左右する要素です。費用をかけるだけではなく、いかに費用対効果を最大化するかを考慮した設計が求められます。

出展にかかるコストは多岐にわたり、見落としやすい間接的な費用も含めて正確に見積もる必要があります。また、成果の評価には「単純な売上」だけでなく、リード数、商談化率、認知拡大など多角的な指標が有効です。

経営層や社内決裁者に対しても、具体的な数値に基づいた費用対効果の説明が求められるため、事前の準備が非常に重要です。

展示会出展に必要な費用項目と算出方法

展示会出展には、想定以上の多岐にわたる費用が発生します。主要な費用項目を把握し、抜け漏れのない見積もりを行うことが、予算オーバーや損失を防ぐための第一歩です。

主な費用項目とその内容

費用項目 内容
出展料・小間代 会場使用料(位置・規模・期間によって変動)
ブース設計・施工費 デザイン制作/構造施工/装飾/レンタル備品
展示物・パネル制作費 モックアップ/説明資料/動画制作
スタッフ人件費・交通費 出張費/宿泊費/当日スタッフ費用
プロモーション関連費 チラシ/ノベルティ/Web広告/DM発送
物流・搬入出費用 運搬費用/設営・撤去作業費
通信・電源・備品費 インターネット/モニター/電源工事

算出のポイント
 ・ 過去実績や見積書を参考に、現実的な金額で算出
 ・ 計上漏れが起こりやすい「交通費」「消耗品」「雑費」は必ず予備費を設定
 ・ 複数の業者に相見積もりを取り、コストパフォーマンスを比較

予算表はエクセルなどで項目ごとに整理して見える化し、上層部の判断材料として提示できるようにしましょう。

費用対効果を高める工夫と評価方法

限られた予算内で最大の効果を上げるには、施策ごとの費用対効果を意識したプランニングが必要です。ただ支出を抑えるのではなく、「何にどれだけ投資すれば効果が出るか」という観点から最適化を図ります。

費用対効果を高める工夫
 ・ 注力すべき箇所を明確化
 ・ 単価が高いが訴求力のある「展示映像」や「体験コンテンツ」に重点投資
 ・ ノベルティや印刷物の適正化
 ・ 無駄な配布物を削減し、ターゲット層に刺さるアイテムを厳選
 ・ 社内リソースの活用
 ・ 外注を減らし、可能な範囲は社内で対応しコスト圧縮

評価指標(KPI)例

項目 指標の例
集客 名刺交換数、ブース訪問数、セミナー参加者数
商談 商談発生件数、見込み顧客数、案件化率
売上 展示会後3ヶ月以内の受注額、売上成長率
認知 SNSフォロワー数、Webアクセス数、資料請求件数

評価時の注意点
 ・ 短期的成果だけでなく中長期の影響も把握(例:展示会後の問合せ数増加)
 ・ 定量と定性の両面から評価する(例:来場者の声、営業現場での反応)

このように、費用対効果は「安く抑える」よりも「投資対効果を最大化する」という発想で臨むことが重要です。最終的には、成果が費用を上回るかどうかを数値で証明できる企画が、出展の成功を導きます。

展示会出展時の効果計測や費用対効果の向上について詳しく解説している記事もご紹介します。
展示会の効果測定の方法とは?効果を可視化してROIを改善も是非ご一読ください。

展示会の費用対効果を高める5つの方法|費用対効果の算出方法も是非ご一読ください。

まとめ:展示会出展を成功に導く企画書作成のポイント

■展示会成功の鍵は、戦略的な企画書と一貫した準備体制にあり

展示会への出展は、単なるイベント参加ではなく、事業成果に直結するマーケティング戦略の一環です。その成功を支えるために、企画書は単なる社内文書ではなく、全体計画を整理し、関係者とビジョンを共有するための重要なツールとして活用されます。

展示会企画を成功に導く要点まとめ

1. 出展目的とターゲットの明確化
 ・ どのような成果を得たいのか、誰に訴求するのかを定義
 ・ 数値目標(KPI)を設定し、成果を測定可能にする

2. 段階的な企画ステップの設計
 ・ 企画立案から事後フォローまでを計画化
 ・ スケジュール管理と社内外連携を徹底

3. コンセプトとブース設計の一貫性
 ・ 製品・サービスの魅力を伝える空間演出
 ・ 訴求内容を絞り、印象に残るブースに仕上げる

4. 効果的な集客とプロモーションの展開
 ・ SNS、Web、DMなど多様な施策で来場を促進
 ・ 展示会前後のフォロー施策まで視野に入れる

5. 予算管理と費用対効果の最大化
 ・ 目的に沿って投資すべき項目を選定
 ・ 評価指標を多面的に設定し、改善に活用

6. 実用的な企画書の作成
 ・ 関係者の理解を得られる見やすい構成
 ・ 過去の事例やデータを活用し、説得力を強化

展示会は、事前準備の質が成果を大きく左右するマーケティング活動です。企画書を軸にした計画的な取り組みを通じて、費用対効果の高い展示会出展を実現することが可能になります。ぜひ本記事の内容を参考に、次回の展示会企画にご活用ください。

Q&A

展示会企画書に記載すべき数値目標の目安はありますか?
はい、一般的には名刺交換数、来場者対応件数、資料配布数、SNSフォロワー増加数などが数値目標として用いられます。たとえば「名刺200枚獲得」「案件化5件」など、具体的なKPIを設定することで、効果測定がしやすくなります。

社内での企画書承認をスムーズに進めるにはどうすればよいですか?
決裁者の関心を意識し、要点を簡潔にまとめた「エグゼクティブサマリー」を添えることが効果的です。また、予算や費用対効果を算出根拠付きで提示し、過去の実績や業界の比較データなどを盛り込むことで、説得力が高まります。

展示会当日のスタッフ体制はどう設計すればよいですか?
役割分担を明確にした体制を事前に策定することが重要です。受付・説明・商談対応・誘導など、タスクごとに担当を決定し、シフトや休憩も含めた運営表を作成しておくと安心です。社内の営業チームや外部スタッフとの連携も忘れずに。

展示会後の効果測定でよく使われる指標には何がありますか?
効果測定には以下のような指標が用いられます。
 ・ 名刺獲得数
 ・ 案件化件数や受注数
 ・ 配布資料やノベルティの消化数
 ・ フォローメール開封率やWebアクセス数

これらをKPIとして設定し、定量・定性両面から分析することが推奨されます。

オンライン施策と展示会出展を連携させる方法はありますか?
あります。SNSやWebサイト、メールマーケティングなどを展示会前後と連携させることで、オンラインとリアルの相互補完が可能になります。たとえば、展示会で紹介した動画や資料をWebで再配信する、SNSでブース訪問キャンペーンを実施するなどの施策が効果的です。