イベントアンケートの作り方完全ガイド|テンプレート&設問例付き
INDEX
イベント終了後のアンケートは、参加者の満足度や不満、今後の改善点を把握するための重要な手段です。企業や主催者にとって、収集したデータをもとに次回以降の企画や運営方法を改善することは、参加者満足度の向上、さらにはビジネス成果の最大化にも直結します。
とはいえ、「どのような設問を用意すれば良いのか」「回答率を上げるには何が必要か」など、初めてアンケートを作成する方には多くの疑問があるのも事実です。
本記事では、イベントアンケートの基本的な目的から、質問設計のコツ、テンプレート例や分析方法までを包括的に解説します。初めての方でも安心して進められるよう、具体的な例文や注意点も交えながら、効果的なアンケート作成の流れを詳しくご紹介します。
イベントアンケートの目的と役割を理解する
イベントにおけるアンケートは、単なる感想収集ツールではありません。参加者の反応や意見、満足度、不満点などのフィードバックを明確に把握するための、戦略的な情報収集手段です。これにより、イベントの評価を可視化し、次回の改善策や新たな企画のヒントを得ることが可能となります。
さらに、アンケートは顧客理解の第一歩としても機能します。収集したデータをもとに、属性情報(性別・職種・参加目的など)を分類・分析すれば、より適切なターゲティングやプロモーション設計が実現できます。ビジネスイベントにおいては、見込み顧客のニーズ把握や、製品・サービスへの関心度評価にも繋がる重要なプロセスです。
加えて、SNSやWebなどで拡散される声と比較して、アンケートによる回答はより構造化され信頼性が高いため、定量・定性の両側面から活用できるのが特徴です。
イベント後のアンケートが果たす役割とは?
アンケートはイベント終了後の情報収集フェーズの中心的役割を担います。参加者がどのようにイベントを体験したかを把握し、主催者側が意図した価値が伝わったかどうかを検証することが可能になります。
具体的な役割には以下のようなものがあります。
- 満足度や不満点の把握
参加者の評価をもとに、ポジティブな要素と改善点を抽出できます。 - 参加者の属性とニーズの収集
名前、性別、職種、参加目的などの属性情報を得ることで、ターゲット分析に役立ちます。 - 登壇者やセッションごとの評価
どのセッションが評価されたか、興味が高かったテーマは何かを知ることができます。 - 次回イベントへの期待・要望の把握
「今後どんなテーマに関心があるか」といった項目は、次回の企画に直結します。
このようにアンケートは、参加者目線での総合評価を可視化する機能を持ち、単なる感想収集にとどまらず、戦略的な改善・開発の基盤となるものです。
満足度把握から次回改善までの活用方法
アンケートによる満足度調査の結果は、次回イベントの成功率を左右する重要なデータ資源です。単に集計して終わるのではなく、活用ステップを明確にした運用設計が必要です。
効果的な活用の方法として、以下のような段階的アプローチが推奨されます。
- 満足度スコアの算出と傾向把握
- 設問ごとに評価点を付けた場合、平均値や中央値などから全体像を掴むことができます。
- 属性別の分析による課題抽出
- 参加者の職種や目的別にフィルターをかけて分析することで、どの層に満足され、どの層に課題が残るかを把握できます。
- 自由記述のフィードバックから改善要素の特定
- 定量では見えない「印象」「要望」「不満」が自由回答に含まれることが多く、ここが改善の鍵になります。
- 次回企画への反映と報告書の作成
- 集計と分析結果は、関係者や上層部へのレポート資料として管理・報告し、今後の意思決定の判断材料とします。
このように、アンケートを単発で終わらせず、分析・改善・提案に活用することで、企業全体の成長に貢献できるプロセスとなります。
アンケート実施による主なメリット
アンケートを適切に実施することで得られるメリットは非常に多岐にわたります。単なる参加者の評価収集を超えて、マーケティング、プロダクト改善、ブランディングなどさまざまな領域に波及効果をもたらします。
主なメリットは以下の通りです。
- 顧客の声に基づいた改善活動が可能になる
主観的な印象だけでなく、実際の参加者データに基づいた改善が可能です。 - 参加者とのコミュニケーション機会の創出
アンケートを通じたやり取りが、企業と参加者の関係構築に繋がります。 - 顧客理解が深まりマーケティング精度が向上
属性やニーズを把握することで、メールマーケティングや広告配信の精度が向上します。 - 資料・報告書への活用による説得力の向上
社内会議・取引先説明・登壇報告などで使えるデータとして活用価値が高いです。
このように、アンケートはイベントにおけるフィードバック収集手段であると同時に、企業活動全体の質を高める「成長装置」とも言えます。
アンケート設計の基本ステップと設問の考え方
アンケートの質は、事前の設計段階で大きく決まります。ただ設問を並べるだけでは回答率の低下や必要なデータの欠落を招きかねません。目的に沿った構成と、回答者の心理に配慮した順序設計が不可欠です。
設計にあたっては以下の基本ステップを意識しましょう。
- アンケートの目的を明確にする
何のために実施するのか(例:満足度把握・改善点抽出・製品評価など)を最初に定義します。 - ターゲットとなる回答者像を設定する
参加者の職種や立場によって必要な設問内容は変わります。 - 収集するデータの形式を決定する
選択式・自由記述・スケール評価など、目的に応じた回答形式を使い分けます。 - 全体構成を設計する
冒頭の挨拶文・設問の順番・最後の自由記述欄まで、自然な流れになるよう配慮します。
特に参加者の負担を減らす設計と、取得したい情報を無理なく引き出す構成は、設問数が多くなる場合ほど重要になります。
設問設計前に押さえるべき目的の明確化
アンケートの設問設計を始める前に、まず「何を明らかにしたいのか」という目的の明確化が欠かせません。目的が曖昧なままでは、設問の内容も焦点がブレてしまい、結果として集計や分析が困難になります。
目的は以下のように分類できます。
- イベントの総合評価を知りたい
→満足度・不満点・印象に残った項目などを確認 - 登壇者やプログラムごとの評価が必要
→セッション別に設問を設け、比較分析可能な形式にする - 製品・サービスの興味度を把握したい
→購入意向・利用経験・改善要望に関する設問を用意 - 次回イベント企画の参考にしたい
→今後興味のあるテーマや形式を自由記述で聴取
こうした目的を設定したうえで、どのような形式や項目が必要かを逆算して設問を構成することで、ブレのない設計が可能になります。
回答率を高めるための設問構成と順序
アンケートの回答率向上には、設問の「構成」と「順番」が極めて重要です。特にオンラインでのアンケートでは、途中離脱を防ぐ工夫が求められます。
設問構成のコツは以下の通りです。
- 冒頭は軽く、回答しやすい設問から始める
- 例:性別・年代・所属企業などのプロフィール情報
- 続いて満足度や印象の評価に関する設問を配置
- イベント全体への印象や、期待とのギャップなどを聴取
- 詳細な意見や自由記述は後半に配置
- 記入の負担が大きい項目は、意欲のある回答者に向ける
- 最後に個人情報や連絡先(任意)を設ける
- メールアドレス・名前の記載は必須にしないことで離脱を防ぐ
さらに、スマホからの記入にも配慮した構成(1ページあたりの設問数制限など)を意識することで、Web上での回答率を一層高めることができます。
質問の種類と具体的な活用シーン
設問にはさまざまな形式があり、目的に応じて最適なものを選択することが求められます。それぞれの形式の特徴と活用シーンを以下にまとめます。
- 選択式(単一・複数選択)
定量的な分析がしやすく、回答の負担も少ない。属性や満足度の把握に有効。 - スケール式(5段階評価など)
特定項目に対する感想や評価の強さを把握。傾向分析に活用できる。 - 自由記述式
参加者の生の声を収集するのに最適。課題や要望の深堀りが可能だが、集計には工数がかかる。 - プルダウンやチェックボックス形式
回答形式を制限したいときに有効。スマホでの操作性も高い。
また、質問文の記載においては「なぜそれを聞くのか」「回答者にどう答えてもらいたいか」が伝わるよう、文末表現や説明文の工夫も重要です。
例
- NG:「本イベントについて、どう思いましたか?」
- OK:「本イベントにご参加いただいた感想をお聞かせください(満足点・改善点など)」
このように、質問の構成と選定は、アンケートの信頼性と分析の質を左右する大きな要素となります。
回答率を上げるアンケートの作り方とコツ
アンケートは作成して終わりではなく、回答してもらえる設計が不可欠です。特にWebアンケートでは、離脱率が高くなる傾向があるため、参加者の視点に立った構成・設問設計・配布手段の選定が成果を左右します。
回答率を上げるには、以下のポイントを意識しましょう。
- スマホでの操作性を考慮したフォーム設計
回答の大半がスマートフォンからとなる現在、ボタンや選択肢の大きさ、ページ遷移の少なさなどが重要です。 - 回答時間の目安を明記
「所要時間3分程度」などと表記することで、心理的ハードルを下げることができます。 - 不要な設問は極力省く
本当に必要な項目に絞ることで、回答者のストレスを減らします。 - 一問一答形式で表示
一度に多くの設問を見せるのではなく、ステップ式にすることで離脱を防げます。 - 自由記述は最小限に
書かせすぎは回答率を下げる要因になるため、バランスの良い配置が必要です。
回答率を上げるには、「このアンケートは短時間で、かつ意味がある」と感じてもらう心理設計が鍵となります。
回答しやすいフォーム作成のポイント
回答フォームの出来は、そのまま回答率に直結します。使いづらいフォーム、読みづらい設問、重すぎるページは、それだけで離脱を招きます。
以下のようなポイントを意識してフォームを最適化しましょう。
- レスポンシブ対応のWebフォームを使う
- スマホ表示に対応しているか、文字や選択肢が小さすぎないかを必ず確認します。
- 視認性の高いデザインと構成
- 文字サイズ、色使い、行間などに配慮して、負担なく読み進められるようにします。
- 項目ごとにページを分けるorステップ式で表示
- フォーム全体を1画面に収めるのではなく、適度に区切ることで心理的負荷を下げます。
- エラー表示や入力例を明確に
- 「メールアドレスを正しく入力してください」などの補足メッセージを設けることで記載ミスを防げます。
- 回答済み項目の自動保存機能(Googleフォームなど)
- 万が一中断しても途中から再開できるようにしておくと、完了率が高まります。
また、記入のしやすさ=企業姿勢の表れとも受け取られるため、丁寧な作成とUIへの配慮は信頼感の醸成にもつながります。
回答率アップにつながる配布と案内の工夫
配布や告知の方法も、アンケートの到達率・回収率を大きく左右する重要な要素です。せっかく設計したアンケートも、参加者の目に届かなければ意味がありません。
以下の工夫で回答率を高めましょう。
- イベント終了直後に配布
会場やオンライン配信直後など、記憶が鮮明なうちに案内することで回収率が向上します。 - 配布方法の多様化
会場でのQRコード提示、メール配信、SNS連携など複数のルートで案内することが効果的です。 - パーソナライズされた案内文の送付
回答者の名前を入れたメールや、参加プログラムに合わせた内容で案内することで開封率が高まります。 - 回答特典を用意(例:資料提供、抽選)
回答者へのメリットを明示することで、参加意欲を促進できます。 - リマインドメールの活用
「〇日後に再送」など、忘れられがちなアンケートを再度促すことも有効です。
このように、「配布の設計」自体も戦略的に行うことで、最大限の効果を得られるようになります。
回答時間と記載内容のバランスを取る方法
アンケートの所要時間と情報量のバランスを最適化することは、回答完了率とデータ品質の両立に不可欠です。時間が長すぎれば離脱を招き、短すぎれば必要な情報が得られません。
適切なバランスを取るポイント
- 全体の回答時間は3〜5分を目安に
設問数は10問以内に収めるのが理想です。 - 自由記述は1~2問までに絞る
貴重な情報が得られる一方で、負担も大きいため制限が必要です。 - 目的に直結しない質問は削除
「参考までに」ではなく、「この情報は何に使うか」が明確な設問だけに絞るようにします。 - 設問ごとの所要時間を意識して設計する
選択式なら約10秒、自由記述なら約30〜60秒が目安です。
また、冒頭に「全体で3分程度」といった所要時間を記載しておくことで、心理的ハードルが下がり、結果として完了率が高まります。
活用できるテンプレートと実例の紹介
アンケートを一から作成するのは時間も手間もかかります。目的別にあらかじめ構成されたテンプレートや設問例を活用すれば、作業効率が大幅に向上し、精度の高いフィードバックを得ることができます。
特にイベントの種類や目的に応じて設計されたテンプレートは、回答者の属性やシーンに最適化されており、回答率やデータの質にも好影響を与えます。
ここでは、汎用的に使えるものからセミナー特化型、さらにすぐに使える質問例文と記載例までを紹介します。
汎用的に使えるイベントアンケートテンプレート
幅広いイベントに対応できる汎用テンプレートは、初めてアンケートを作成する方にとっても使いやすく、目的に応じてカスタマイズしやすい構成となっています。
【構成例】総合イベント評価テンプレート
【1.属性情報】
- 所属(企業名・学校名など)(記述式)
- 現在の役職・立場を選択してください(単一選択)
- 参加者
- 出展者
- 登壇者
- 主催者関係者
- その他
- 性別(単一選択)
- 男性
- 女性
- 回答しない
- 年代(単一選択)
- 10代以下
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
- 60代以上
【2.満足度評価】
- 本イベントの全体的な満足度を教えてください(5段階評価)
- とても満足
- 満足
- どちらともいえない
- やや不満
- 不満
- 印象に残ったコンテンツを選んでください(複数回答可)(チェックボックス)
- 基調講演
- 各セッション/セミナー
- 展示ブース
- 配布資料
- ネットワーキング
- 特になし
- 期待していた内容と比べて、満足度はいかがでしたか?(単一選択)
- 期待以上だった
- 期待通りだった
- 少し期待外れだった
- 期待外れだった
【3.具体的な感想】
- 特によかった点があればご記入ください(記述式)
- 改善してほしい点があればご記入ください(記述式)
【4.今後について】
- また今後同様のイベントがあれば参加したいと思いますか?(単一選択)
- ぜひ参加したい
- 機会があれば参加したい
- わからない
- 参加しないと思う
- 今後興味のあるテーマ・内容があればご記入ください(記述式)
- 今後イベントの案内を希望される場合は、メールアドレスをご記入ください(任意)(記述式)
このように、選択式+自由記述のバランスを保つことで、回答者の負担を抑えながら、質の高いフィードバックを得ることが可能です。
セミナーや講演会向けテンプレート例
セミナー・講演会は登壇者の評価や内容理解度の測定が目的になることが多いため、それに最適化された設問が求められます。
【構成例】セミナー評価テンプレート
【1.参加者情報】
- 所属組織名・部署(記述式)
- 参加形態(単一選択)
- 会場参加
- オンライン参加
【2.セミナー内容】
- 内容の理解しやすさについて教えてください(5段階評価)
- 非常に分かりやすかった
- やや分かりやすかった
- 普通
- やや難しかった
- 非常に難しかった
- 配布資料は役立ちましたか?(単一選択)
- とても役立った
- ある程度役立った
- あまり役立たなかった
- 使用していない
- 話し方や進行のテンポについての印象(単一選択)
- 聞き取りやすくスムーズだった
- 普通だった
- 聞き取りにくかった
【3.登壇者評価】
- 登壇者の知識・スキルについての印象(5段階評価)
- 非常に高かった
- 高かった
- 普通
- やや不足
- 不十分
- 登壇者の親しみやすさ・信頼性について(5段階評価)
- 非常に感じた
- ある程度感じた
- 普通
- あまり感じなかった
- まったく感じなかった
【4.受講後の変化】
- 実務に役立てられそうな内容でしたか?(単一選択)
- 非常に役立つ
- ある程度役立つ
- あまり役立たない
- 役立たない
- 参加目的は達成できましたか?(単一選択)
- 十分に達成できた
- おおむね達成できた
- 一部のみ達成できた
- 達成できなかった
【5.意見・要望】
- 印象に残った内容やご感想をご自由にご記入ください(記述式)
- 今後取り上げてほしいテーマ・業界トピックなどがあれば教えてください(記述式)
【6.フォローアップ】
- 今後のセミナー案内を希望される方は、メールアドレスをご記入ください(任意)(記述式)
セミナーの場合は、資料の質や登壇者評価の設問を追加し、教育・研修効果の可視化に役立てることが大切です。
回答を促す質問例文と記載例
設問の表現ひとつで、回答の質と量は大きく変わります。「書きにくい」「何を聞かれているか分からない」質問は敬遠されがちです。ここでは、回答を促進する自然な質問文と記載例をご紹介します。
【満足度系】
- Q:本イベントの満足度についてお聞かせください(5段階で評価してください)
- 記載例:とても満足(資料も充実しており、話し方も丁寧だった)
【印象・改善点】
- Q:印象に残った点や、特によかった点があればご記入ください
- 記載例:実際の導入事例が多く、非常に現場のイメージがしやすかったです
- Q:改善してほしい点があればご自由にご記載ください
- 記載例:一部セッションが音声が聞き取りにくかったので、マイク音量を調整してほしい
【今後の希望】
- Q:今後取り上げてほしいテーマや内容があれば教えてください
- 記載例:生成AIを活用した業務効率化について、具体的なツールと企業事例が知りたいです
【個人情報・フォローアップ】
- Q:次回案内の送信を希望される場合は、メールアドレスをご記入ください(任意)
- 記載例:event-info@example.com
このように、選択肢だけでなく自由記述でも回答しやすい文章設計を行うことで、質の高いフィードバックを得ることができます。
よくある失敗例と改善のポイント
アンケートの設計や運用において、よくある失敗パターンを把握しておくことは、回収率やデータの質を高める上で非常に重要です。特に「せっかく実施したのに、結果が使えない」「回答が集まらなかった」といった悩みは、設問設計や回収後の運用に原因があることが多いです。
この章では、回答者の立場から見て回答しにくい設問の傾向、そして使われないアンケートになってしまう理由を踏まえ、具体的な改善方法を紹介します。
回答率が伸びないアンケートのNG設問
アンケートの回答率が低いと、得られるデータの信頼性が損なわれ、全体の分析も不完全になります。ここでは、特に避けたいNG設問の特徴と改善のポイントを整理します。
よくあるNG設問の例
- 質問の意図が曖昧で分かりにくい
例:「イベントについてどう思いましたか?」(抽象的すぎて回答しづらい) - 選択肢が偏っていて回答が誘導的
例:「満足した/とても満足した」のみ(否定的な選択肢がない) - 1問で複数の内容を問う設問(ダブルバレル)
例:「会場と講演内容に満足しましたか?」(どちらに対する満足かが不明) - 個人情報を最初に聞く構成
→回答者が警戒し、途中離脱の原因に
改善のポイント
- 設問の意図を具体的に明記し、回答しやすい文にする
- 肯定・否定・中立の選択肢をバランスよく用意
- 複数の内容は必ず個別に設問を分ける
- 個人情報収集は必須ではなく、最後に任意項目として提示
「回答者にとって答えやすい設問とは何か?」を意識することで、自然と回答率の向上が期待できます。
長すぎる・主観的すぎる設問の見直し方
長文の設問や、過度に主観的な文言は、回答者の心理的負担を高めてしまいます。また、記述が多すぎると離脱の原因にもなり、アンケート完了率が下がってしまいます。
NGとなる設問の特徴
- 説明が長く、読むだけで疲れる
例:「イベント全体を通して、ご自身の業務にどう影響しそうだと思いましたか。具体的な変化も含めて教えてください。」 - あいまいな主観表現を含む
例:「なんとなく良かった点を教えてください」 - 回答者の価値観に踏み込むような文
例:「今回の講演で、あなたの人生観は変わりましたか?」
改善のコツ
- 一文は60文字以内に収め、簡潔で具体的に記載
- 主語・目的語を明確にして、質問の意図を明らかにする
- 「~について、〇点満点で評価してください」など客観的な評価軸を設定
また、長文設問をどうしても設けたい場合は、その意図を明記する補足文を併記することで、回答者の理解と納得を得やすくなります。
回収後に使われないアンケート結果の改善策
苦労して集めたアンケート結果が、「結局何も使われなかった」という状況に陥るケースは少なくありません。これは、活用の前提が設計段階から不明確だったり、集計しにくい設問構成になっている場合が多いです。
よくある問題点
- 自由記述ばかりで定量分析が困難
- 属性情報を取得しておらず、セグメント別の比較ができない
- 評価指標がバラバラで横断的に集計できない
- レポート用のアウトプット形式を想定していない
活用されるアンケートにするための対策
- 集計しやすい設問構成を意識
→選択式・5段階評価など、数値化しやすい形式をベースにする - 目的別のKPIを設定し、必要なデータを逆算する
→例:満足度平均・再参加意向率など - 集計・分析ツールとの連携を前提にする
→GoogleフォームやExcelとの親和性を意識して設計 - 分析結果を社内資料として再利用できるよう構成
→グラフ化しやすい質問形式を設ける - 分析担当者との連携を事前に行う
→どのように使われるのかを把握し、それに最適な設問を設計
アンケートは結果の分析・資料化・次回施策への反映までを一連のプロセスとして設計することで、初めて価値を発揮します。
回答結果の集計・分析・活用の実践方法
アンケートの真価は、集計・分析・活用まで到達して初めて発揮されます。単に回収して満足するのではなく、得られたデータを整理し、示唆に変換し、意思決定に結びつけることが、イベント運営の質を向上させるカギです。
本章では、実際の業務で役立つ集計・分析の手順と、社内で有効活用するためのレポーティングのコツを紹介します。
アンケート集計とデータの整理方法
まず必要なのは、回収したアンケートを適切に分類・整理し、必要な情報を抽出できる状態に整えることです。
【基本的な集計ステップ】
- データの収集方法を統一
- Webフォーム(GoogleフォームやTypeformなど)を活用し、ExcelやCSV形式で出力できる形にまとめます。
- 回答形式ごとに分類
- 選択式→項目ごとに集計(%表示・グラフ化)
- スケール式→平均値や分布を算出
- 自由記述→テキストマイニングやキーワード抽出
- 属性情報でセグメント分け
- 職種・性別・参加目的などの属性でフィルターをかけ、傾向を掴みます。
- 不要データ・重複の除去
- 空欄や重複回答などを除外して、正確な分析基盤を作ります。
【集計に役立つツール例】
- Googleスプレッドシート:関数とグラフ表示が容易
- Excel:ピボットテーブルや条件付き書式で多角的に集計可能
- テキスト分析ツール(KHCoder等):自由記述の可視化に有効
整理段階でのポイントは、分析目的に直結する形でデータを構造化することです。
イベント改善につながる分析の視点
集計したデータを「どう読むか」「どう活かすか」が次なるステップです。単なる数値の羅列では意味がなく、イベント改善につながる示唆を引き出すことが重要です。
【分析時の主要視点】
- 満足度の高かった要因は何か
→上位評価された項目に共通する内容を抽出(例:運営対応・資料内容など) - 不満が集中した要因はどこか
→低評価項目・自由記述の共通キーワードから問題点を特定 - 参加者の属性ごとの傾向
→職種や参加目的別に評価のばらつきを確認(例:営業職は製品紹介に高評価) - 次回に向けたニーズ・要望の把握
→「今後希望するテーマ」や「改善してほしい点」から次回企画に反映
【分析結果のアウトプット方法】
- 数値はグラフ化(棒グラフ・円グラフ)
- コメントはキーワード別に分類し、具体例と共に抜粋
- 複数イベントで比較分析する場合は、時系列でトレンドを示す
分析の目的は、イベントの価値向上と参加者満足度の最大化です。データを「課題」と「改善」に繋げる視点で読み解くことが成功への第一歩です。
社内資料としての管理・報告の対応策
分析したアンケート結果は、社内共有・意思決定・関係者との報告資料として活用することが不可欠です。その際、単なる報告書ではなく、「どのように改善に活かしたか」が示されていることが望まれます。
【レポート資料の基本構成】
- 概要(サマリー)
- 回答数/回収率/対象者の属性
- 定量分析の結果
- グラフ付きで満足度や各設問の評価を提示
- 自由記述の抜粋と所感
- 具体的な声を引用し、どのように解釈したかを説明
- 改善提案・次回へのアクション
- フィードバックをもとに行う改善施策や検討事項
【共有時の注意点】
- 機密情報や個人情報は匿名化して記載
- 報告相手(経営層/現場担当者/登壇者など)に合わせて要点をカスタマイズ
- Googleドライブや社内ポータルで一元管理し、いつでも参照可能にしておく
さらに、報告内容を次回イベントの設計段階で再参照できるよう整理・保管しておくことで、PDCAの好循環が生まれます。
まとめ:効果的なイベントアンケートで成果を最大化しよう
イベントアンケートは、単なる参加者の感想収集を超えて、次回イベントの質を高めるための戦略的ツールです。設問の設計、配布の工夫、データの活用までを一貫して設計することで、参加者満足度の向上と、自社の成長に直結するフィードバックを得ることができます。
■イベントの価値を最大化する「アンケート設計力」
☞成果につながるアンケート活用のためのポイント
- アンケート実施の目的を明確にする
- 回答から何を得たいかを定めて、設問を逆算設計する
- 回答率を意識したフォーム設計を行う
- 回答時間・負担感・スマホ対応・誘導文などに細かく配慮
- テンプレートや質問例を活用し効率化
- よくある設問構成をベースに、自社用にカスタマイズする
- NG設問や使われないアンケートを避ける
- 集計や分析しづらい設計をしないよう、社内連携も忘れずに
- 集計・分析・報告までを一つの流れとして設計
- 定量・定性のバランスを取り、社内資料として活用できる形に
- 得られたフィードバックを次回施策へ活かす
- 結果を踏まえた具体的な改善策まで落とし込む
効果的なアンケート運用は、一度きりではなく継続的な改善のためのPDCAサイクルの一環として設計することで、単発イベントから組織的成長への架け橋となります。
ぜひ本ガイドを参考に、参加者と企業の双方にとって有益なアンケート設計・活用を実現してください。
よくあるご質問
イベントアンケートの設問数はどのくらいが適切ですか?
回答
設問数は10問以内が理想です。3〜5分以内で完了できるボリュームが望ましく、特にスマホからの回答を前提とする場合、時間的な負担感を最小限に抑えることが重要です。必要な項目を厳選し、自由記述は1〜2問程度にとどめるのが効果的です。
Webフォームでアンケートを実施する場合の注意点は?
回答
スマートフォン対応を必須とし、画面レイアウトやタップしやすい選択肢設計を意識することが大切です。また、Googleフォームなどの無料ツールを使う場合も、自動保存機能や入力補助の有無を確認し、ユーザーの記入しやすさを高める設計にしましょう。
回答率アップのための配布タイミングはいつが最適ですか?
回答
イベント終了直後〜24時間以内が最も回答率が高くなります。参加者の記憶が新しいうちに配布し、可能であれば当日の会場や配信ページにQRコードやURLを表示してリアルタイムでの回答を促しましょう。加えて、事後フォローのメール送信も有効です。
自由記述の回答をどのように分析すればよいですか?
回答
まずはキーワードごとに分類し、頻出語をリスト化します。内容をポジティブ/ネガティブ/要望別に仕分けし、傾向をつかむのが一般的です。回答が多い場合はテキストマイニングツール(例:KHCoder)を使うことで、効率的にデータを整理できます。
アンケート結果はどのように社内で共有すべきですか?
回答
関係者の職種や目的に応じて要点を整理したレポート形式でまとめます。グラフ・表を活用し、サマリー・分析結果・改善提案の3部構成にするのが効果的です。Googleドライブや社内共有フォルダでアクセス可能な形式で保存・管理することも重要です。
お役立ち資料
CASE STUDY
創業以来培ったノウハウとデータをもとにまとめたハンドブックです。
「初めての展示会で何をやったら良いかわからない」「効率的に成果を出すブースづくりについて知りたい」、そんな方におすすめです。
本資料は展示会出展社さま、展示会出展をご検討されている方に向けて作成した資料です。 同業他社さまには資料ダウンロードをご遠慮いただいております。申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。